旧約聖書は、神による天地創造から始まり、神に背いてしまった人間に罪と死が入ってしまったこと、そのために神は、人類を救うためにこの歴史のうちに御自分の救いの御業を行っておられること、神を信じて生きる者には救いの恵みにあずからせてくださること、神による救いは、いろいろな方法で預言者たちによって語られてきましたが、それらはみなイエス・キリストによる御救いを指し示していることが記されています。

旧約聖書には、神がこの世界にどのように働いておられるのかという歴史の事実が記されており、神による天地創造、神の摂理や救いの計画に関する重要な教えが含まれています。例えば、創世記においては、神が世界を創造した過程や人間の起源が語られ、さらにアダムとイヴの罪による人類の堕落や、洪水による人類の滅亡とノアの箱舟、バベルの塔の出来事が語られています。

また、モーセの律法には、神に対する敬虔さや愛情、人々との関係性、社会的・道徳的な行為についての指針が含まれています。この律法には、十戒や、愛と慈しみの心を持つことが重要であることが示されています。

歴史書には、イスラエル民族の歴史が書かれています。エジプトからの脱出、約束の地への到達、サムソンやダビデ、ソロモンなどの王たちの治世が語られています。また、イスラエルが神に背いたときには、神が懲罰を与え、罰を受けた後に再び神に帰ることが示されています。

預言書には、神からの啓示や予言が含まれています。預言者たちは、神からの啓示を受け、人々に神の意志や計画を伝え、時には戒めや懲罰を与える役割を果たしました。また、預言者たちは、メシア(救い主)の出現を予言し、それが後のイエス・キリストとなることが示されています。

旧約聖書は、現代の社会においても、多くの人々によって尊重され、信仰や道徳的な指針として広く引用されています。

旧約聖書は、キリスト教とユダヤ教の正典であり、イスラム教においても重要な書物とされています。旧約聖書の原典はヘブライ語で書かれていますが、ギリシャ語に翻訳されたセプトゥアギントというバージョンもあります。

旧約聖書には、創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記、ヨシュア記、士師記、ルツ記、サムエル記上下、列王記上下、歴代誌上下、エズラ記、ネヘミヤ記、エステル記、ヨブ記、詩篇、箴言、伝道者、雅歌、イザヤ書、エレミヤ書、哀歌、エゼキエル書、ダニエル書、ホセア書、ヨエル書、アモス書、オバデヤ書、ヨナ書、ミカ書、ナホム書、ハバクク書、ゼパニヤ書、ハガイ書、ゼカリヤ書、マラキ書の39巻が含まれています。

旧約聖書には、神の摂理や救いの計画、道徳的・社会的な教え、歴史的事実、預言などが書かれています。旧約聖書の中には、新約聖書で語られるキリスト教の中心的な教えの原点があるとされています。また、ユダヤ教の教えや文化を理解するためにも、重要な聖書となっています。

旧約聖書の中には、時代によって異なる編纂者によって書かれた書物が含まれているため、その文体や内容には多様性があります。しかし、旧約聖書の中心には、神と人との関係性、人間の罪と悔い改め、神からの救いと恵みがあります。

旧約聖書の中でも特に重要な書物として、モーセ五書(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)が挙げられます。これらの書物には、神が世界と人間を創造し、アダムとイブの失楽園、ノアの洪水、アブラハム、イサク、ヤコブの物語、モーセによるイスラエル人の奴隷解放、十戒の授与などが描かれています。

また、歴史書としては、ヨシュア記、士師記、ルツ記、サムエル記、列王記、歴代誌があります。これらの書物には、イスラエルの王国が建国され、神との契約を守り続けることが重要であることが語られています。また、先祖たちの物語や、国家の興亡、王たちの行いなどが描かれています。

詩篇は、教会音楽の重要な源泉であると同時に、信仰生活における賛美の歌や祈りの言葉として、多くのキリスト教徒に愛されています。箴言は、知恵や道徳的な教訓を語るためのことわざや警句が収録されており、一般的には「箴言」と呼ばれています。

預言書には、イザヤ書、エレミヤ書、エゼキエル書、ダニエル書、ホセア書、ヨエル書、アモス書、オバデヤ書、ヨナ書、ミカ書、ナホム書、ハバクク書、ゼパニヤ書、ハガイ書、ゼカリヤ書、マラキ書があります。これらの書物には、神からの啓示や警告、メシア(救世主)の到来を予言する内容が含まれています。

以上のように、旧約聖書には、多くの種類の書物が含まれており、その中には神と人との関係性、道徳的・社会的な教え、歴史的な出来事、預言などが書かれています。

旧約聖書の書物の中でも、特に注目すべき書物についていくつか紹介します。

・創世記(創造記):世界と人類がどのように作られたのかを記した書物です。アダムとイブの失楽園、ノアの洪水、アブラハム、イサク、ヤコブの物語などが含まれています。

・出エジプト記:イスラエル人の奴隷解放と、モーセによる十の災い、紅海の奇跡、シナイ山での十戒の授与などが描かれています。

・詩篇:ユダヤ教やキリスト教の信仰生活において重要な聖書の一つです。神への賛美の歌や、苦しみや迷いの中での祈りが含まれています。

・箴言:知恵や道徳的な教訓を語ることわざや警句が収録されており、一般的には「箴言」と呼ばれています。

・イザヤ書:ユダヤ教やキリスト教の聖書の中でも、最も長い預言書の一つで、メシア(救世主)の到来を予言する内容が含まれています。

・エレミヤ書:神の言葉を預言する預言者であるエレミヤによって書かれた書物です。イスラエル人の不信仰や悔い改めの必要性が語られています。

・エゼキエル書:バビロン捕囚の時代に生きた預言者エゼキエルによって書かれた書物です。神の栄光が示され、新しい契約が約束されています。

・ダニエル書:バビロン捕囚の時代に生きたユダヤ人のダニエルが、神の力を証明する出来事や預言を語っています。

・ヨエル書:イスラエルが神の意志に背いたときに訪れる災いを予言しています。

・アモス書:神の道に背いたイスラエル人への警告が語られています。

・ホセア書:神の恵みを受けたイスラエルが、偶像崇拝や悪行に走ってしまう様子を描いています。

・ミカ書:正義や慈しみ、謙遜などについて語られ、またメシアの到来が予言されています。

・ヨナ書:預言者ヨナがニネベに行って、そこの住民を改宗させるという使命を帯びた物語が描かれています。

・ハバクク書:悪が蔓延る時代においても、信仰を持ち続けることの大切さが語られています。

・ゼカリヤ書:神の再建計画が語られ、またメシアの到来やその勝利が予言されています。

これらの書物は、ユダヤ教やキリスト教において、その教義や信仰生活の中で重要な役割を果たしています。また、世界文学の中でも、その文学的価値や文化的意義から広く読まれています。