正確な情報こそが必要 2

 

偽りの預言者を警戒する   マタイによる福音書7:15~18

 

7:15 「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。

7:16 あなたがたは、その実で彼らを見分ける。茨からぶどうが、あざみからいちじくが採れるだろうか。

7:17 すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。

7:18 良い木が悪い実を結ぶことはなく、また、悪い木が良い実を結ぶこともできない。

 

前回も「偽預言者を警戒しなさい。」ということと「狭い門から入りなさい」というみ言葉から見てきました。この世界の多くの人々が広い門から入りますが、命に至る門は狭いのです。私たちは、そこに導いてくれる人をよく見極めなければなりません。

主イエスが語られた偽預言者とは直接的には、当時のユダヤ教の指導者、ファリサイ派の人々や律法学者たちを指しています。しかし、このような指導者たちは、主イエスの時代の指導者たちだけではないと思われます。このことを考えると、偽預言者、偽教師はいつの時代にもいると思われます。

聖書には、偽預言者を羊の衣を着た強欲な狼だと言われています。それはバプテスマのヨハネのような服装スタイルを言っているのではなく、羊を装う、人々に幸福をもたらす者のふりをしながら中身は狼のような者がいることを示しています。偽預言者は偽物だけでなく、狼のような存在、羊を滅ぼしてしまう危険な存在です。

羊には羊飼いが必要であるように、私たちにも導き養ってくれるまことの羊飼いが必要です。この羊飼いは、よい羊飼いとして私たちを養い、私たちに確かな情報を伝えて、いのちへの道を指し示し、そこに行くための手立てをすべて用意していてくださるのです。

それは自分の都合のよい指導者を求めることとは違います。「あなたがたは、その実で彼らを見分ける。」とあるように、その実によって確かな指導者を見分けることが出来ます。

 

聖書を通してイスラエルの指導者たちを見ていくとき、ノアやアブラハム、イサク、ヤコブ等の族長たちやモーセ、エリヤ、イザヤなどの預言者たち、ダビデのような王は、神に従ってその信仰のうちに歩み通して人たちでしたが、イスラエルにおいても多くの指導者たちは、神をあなどり、傲慢になったり、民を見下したりしてよき実を実らすことが出来なかった人が数多くいたことが分かります。そして聖書の後の歴史を振り返ってみるならば、使徒たちの時代や初代教会の時代は厳しい迫害が続いていたにもかかわらず(むしろ迫害があったからこそ主に従い得たと言えるかもしれません)、神の言葉に忠実に歩み、殉教の詩を遂げた方々もたくさんいたのです。

しかし、313年にキリスト教が公認されて以後、キリスト教会はさらに広がっていきましたが、国家権力と結びつくことによって、キリスト教会は聖書の教えている在り方から離れてしまうということにもなっていきました。

中世の時代には、贖宥布(免罪符)をめぐってマルチン・ルターの質問状に端を発した宗教改革が起こり、聖書に帰れというスローガンのもとプロテスタント教会が生まれました。プロテスタント教会は、この時新しくできた教会ではなく、初代教会に立ち帰ることを目指して生まれたものです。

その後、スペイン、ポルトガル、オランダ、イギリス、フランス、米国などの国々(キリスト教国と言われる国々)が世界各地に植民地を作ろうと画策し、宣教師たちもその政策に利用されていきました。侵略や戦争がその後も続けられてきました。私たちは、キリスト者としてこのような人間の罪の歴史をも忘れてはならないと思います。罪は、人々の判断を曇らせ、自分を正当化し、高慢にさせ、様々な差別をもたらし、時として人々を殺害したり迫害したりしてしまうものです。

先ほど引用した箇所の少し前のところで、主イエスは次のように言われました。

 

7:1 「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。

7:2 あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。

7:3 あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。

7:4 兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』と、どうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。

7:5 偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。 (マタイによる福音書7:1~5)

  「偽善者」とは、他の誰かのことではなく、自分自身もそれになり得るということをこの世界の歴史は教えているのです。先に紹介した信仰者たちの素晴らしさは、彼らもまた神の前に罪を犯すことがありましたが、み言葉に聞き、罪を正直に認め、悔い改めて神に立ち返り続けたところにあります。

そのようにして、キリストの羊は、まことの羊飼いであるキリストの声を聞いて、それに従っていくのです。

  私たちの国の教科書では、キリスト教会といえば西方キリスト教会で、東方キリスト教会やインド・中国に伝わったキリスト教(景教と呼ばれています)についてはほとんど学ぶことはありませんでした。これはトマスやバルトロマイ等によって東方に伝えられ、シルクロードといわれる道に点在する町々に宣教されて、かなりの数の人々がキリスト教を信じるようになっていたようです。カトリック教会のマリア崇拝を批判したために431年のエフェソ公会議においてカトリック教会から異端とされ、ローマ帝国内での布教を禁じられて、イスラエルよりも東方へと広がっていきました。781年には、景教の布教を記念した大秦景教流行中国碑がたてられました。8世紀には西方キリスト教会(カトリック教会)を凌いでいたとも言われています。

また、カトリック教会は国家権力と結びついていたのですが、景教は原始キリスト教会の教えを忠実に守ろうとした教会であったとも言われています。

キリスト教は、一般には、カトリックの宣教師フランシスコ・ザビエルが1549年に日本に来てから、初めて日本に広まったと思われています。しかし、ザビエルが日本に来るよりはるか以前――ザビエルより約一千年も前に、多くの景教徒、すなわちネストリウス派キリスト教徒たちが、続々日本にやって来ていたとも言われています。

早稲田大学名誉教授であり、景教博士とも言われた佐伯好郎教授は、全5巻からなる「支那基督教の研究」「景教の研究」によって、景教が伝えられたのは、中国には西暦68年、日本には168年あるいは169年であったと述べておられます。

多くの学者が、初期教会の広がりにともなって数多くの敬虔なクリスチャン宣教師が、キリストの『地の果てまでも福音を宣べ伝えよ』という命令を真剣に受け止めていたと信じています。初期のクリスチャンたちはしばしば、自立した共同体の中で、当時知られていた世界の隅々まで旅行し、教えを広めていきました。

インドでは彼らの子孫は少数派でしたが、それでも1000人の内の10人余りを占めていました。中国では唐の時代、巨大な景教の寺がどの省にも建てられました。

景教は日本にも深い影響を与えたようです。今日では、日本と古代イスラエル人との関連について膨大な研究資料が残されるようになってきていますが、ここでは久保有政氏のYouTube動画解説「秦氏のルーツ:古代イスラエル、東方基督教との関係」からご紹介いたします。

アラムの人々の地域がアッシリアの侵略を受けたのち、北イスラエル王国も侵略され、彼ら「ヤマトの人々」は、アッシリアへ捕囚の民となった。そしてアッシリア帝国滅亡後は、各地へ離散した。

弓月

彼らの大部分は、シルクロードを通り、おもに東のほうへ移動したことがわかっている。そのシルクロードの北方ルートの途中に、「弓月」という所がある。弓月の地には、じつは「ヤマト」「Yamatu 雅馬図(「図」は実際には、くにがまえの中に冬と書く。この字は日本語では「図」に相当する)」という所もある。

弓月と、ヤマト(雅馬図)は、古代日本に渡来した秦氏一族が、一時住んでいた所である。日本書紀は、「弓月君」が秦氏の人々を率いて古代日本に渡来した、と記している。

古代東方キリスト教に改宗

「弓月」は日本語では「ゆづき」と読むが、中国語では「クンユエ」と読む。その存在は、中国の古代史書(資治通鑑)にも記されている。弓月、およびヤマト(雅馬図)は、現・新疆ウイグル自治区の中央アジア寄りにあった。秦氏は、古代イスラエル10部族に属する人だったと思われるが、・・・そのあたりにいたとき、古代東方キリスト教に改宗したようである。弓月の付近の人々は、東京文理科大学の佐伯好郎学長によれば、2世紀頃には古代東方キリスト教にほとんど改宗していた。

突然の移動

現在、弓月にいけば、「弓月城」の名が掲げられた門や、城壁等が残っている。昔は都市国家で、都市のまわりに城壁があった。・・・弓月城にはレリーフがあり、その地の歴史が書かれている。それによれば、古代にそこに多くの人々が住んでいたが、彼らは突然そこから移動していったとのことだ。彼らが秦氏である。その弓月城から車で30分ほど南下すると、イリ川のほとりに「ヤマト」という所がある。・・・その地に住む人々は、中国人よりはむしろ日本人によく似ていて、親日的である。

シルクロードの北方ルート

弓月とヤマト(雅馬図)の地にいた秦氏一族は、朝鮮半島を通り、34世紀くらいに日本に大挙やって来た。・・・彼らよりも前、紀元前の時代に、いち早く日本に渡来していた天皇家や中臣氏、物部氏、忌部氏、卜部氏など、神道系の人々もやはり古代イスラエル人の末裔と思われる。彼らも新疆ウイグル自治区のヤマトの地を通って、はるばる日本まで来たのであろう。イスラエルから日本に至るシルクロードの北方ルートは、このヤマトの地を通っているからである。

神の道

古代イスラエル宗教は、「神の道」とか「主の道」と呼ばれていた。天皇家や、中臣氏、物部氏、忌部氏、卜部氏など神道系の人々は、古代イスラエル宗教を日本にもってきて、それを「神道」の名で伝えたのである。

日本のヤマト

そののち、紀元後に秦氏もやって来た。秦氏はその古くから日本にあった神道を、さらに発展させ、各地に神社をつくって、神道を民衆に身近なものにした。彼らは、日本に渡来したのち、奈良をはじめ各地にヤマト(大和)の地名を残した、とくに奈良については、「大和はまほろば」と人々に語り継がれた。

「まほろば」

「まほろば」とは何だろうか?それは、優れて良い場所を意味する古い言葉で、「まほら」から来た言葉だ。「まほら」は、ヘブル語の「マフラ」(mahelal 優れて良いの意)から来たに違いない。

このヤマトの名は、のちに日本全体を表す愛称ともなった。「大和心」「大和魂」「大和言葉」など、ヤマトといえば日本人のことである。

日本を表す名称

じつはヤマトに限らず、日本を表す名称はみな、もとはヘブル語だと言っても過言ではない。たとえば日本は古来「葦原の瑞穂の国」と呼ばれてきた。「葦原」は、古代イスラエル人の住んでいた約束の地「カナン」と同じ名称である。カナンはカヌ・ナーから来た言葉で、葦の原の意味だ(ヨセフ・アイデルバーグ)。

「瑞穂」

一方「瑞穂」は、東を意味するヘブル語ミズラホから来たものだろう。つまり「葦原の瑞穂の国」日本は、カナンの東の国、あるいは東方のカナンを意味する。

「八島」

また、日本列島を意味する古い言葉に、「八島」「大八洲」がある。この「ハ(ヤ)」も、ヤハウェの短縮形ヤーであり、ヤハウェの島の意味であろう。

「ニホン」

さらに「日本書紀」にみられる「ニホン」の名称も、ヘブル文字で書くと、真ん中に「ヤハウェ」の神聖四字のうちの3文字が入っている。ユダヤ人は、名前によくヤハウェを表す文字を入れる。ただし神聖四字すべてを入れてはいけないので、ヤハウェの最初の2文字、あるいは3文字を入れる。その3文字が、ニホンというヘブル文字表記の真ん中にある。ニホンはまさに、ヤマト(ヤハウェの民)なのである。

安住の地

これらの名称には、祖国を失い、アッシリアに捕囚され、そののち安住の地を求めて日本に到達した古代イスラエル人たちの思いが込められているように感じられる。日本をヤマトの国にし、その伝統文化の基礎をつくったのは、彼ら古代イスラエルからの渡来人であった。その中心的な人々が秦氏である。

以上は久保有政氏の解説からの引用です。

縄文時代からなる古代日本の歴史は、今なお謎に包まれていますが、日本人のルーツを探るひとつの説として考えることが出来ます。日本に渡来した秦氏の風俗、風習、文化を調べてみるとき、そこに古代東方キリスト教徒やユダヤ人に見られる特徴を見ることができると多くの人々が指摘しています。

カレン・ヴァン・ウォルフレン氏のインタビューより

  話題は変わりますが、この世界情勢の真実を探るうえで、重要なインタビューだと思いますのでご紹介いたします。

カレン・ヴァン・ウォルフレン氏(アムステルダム大学名誉教授)のインタビュー

 韓国と対話すらできない安倍首相に対する見方は国内よりむしろ海外で冷ややかだ。長年、日本の政治システムを見てきた知日派ジャーナリストの言葉。来日したこの人も今の日本の危機を訴えていた。

 海外では安倍政権が暴走しているとの声があります。最近の安倍政権をどう思いますか?

 安倍政権の誕生のころから私の印象は変わりません。政権は最初から構造的な欠陥を抱えているからです。端的な例がアベノミクスです。そもそもアベノミクス等という愚かな言葉は何を意味するのかわかりません。安倍首相の名前がつけられていますが彼の考えで始められたわけではありません。経済に精通した人でもないのです。彼は何もしませんよ。金融政策を練るのは首相ではなく、財務官僚です。安倍首相はそれに従っているだけです。アベノミクスという造語は単なる広報戦略から生まれただけです。

 それでもアベノミクスの功罪と言っても意見が分かれると思います。安倍首相は日本の実体経済を良い方向に動かしていると思いますか。

 安倍政権誕生後に日銀が行った政策はよかったと思います。デフレ不況から抜け出すために目標を2%に上げ長期金利を上げずに、円安に誘導した点は評価されるべきでしょう。もちろんそれも彼自身の考えから発生したものではありません。過去何十年もそうだったように官僚主義の政治風土から生み出されたのです。本当に国内経済を活性化させたいのなら、住宅政策等に力を入れるべきなのです。ところが、安倍首相がやったのは消費税を上げる暴挙でした。全く必要のないことです。

 安倍政権については、海外で右傾化が問題視されていますね。近隣諸国とはぎくしゃくしたままです。外交政策をどう思いますか。

 安倍首相に外交政策などありません。彼が外交政策を立案できるわけもありません。外務省の一部の官僚が策定しているだけです。ただし日本が独自の外交政策を持っているわけでもありません。ウクライナ問題が好例です。欧州諸国はロシアの制裁を発動しました。米国がロシアへの制裁を発動したからです。ヨーロッパ諸国は国内の問題でていたらくと呼べる程米国に追従したのです。ほとんど「見世物的なショー」です。今回のロシアへの経済制裁は実質的効果のないものです。日本が独自の外交戦略を歩むつもりならば米国に対して制裁等意味がないと言ってやらなくてはいけませんでした。でも安倍首相にそんな真似が出来るわけもありません。

 イスラエル軍イスラム国の対応では安倍首相だけではなく、欧米諸国でさえ後手に回っています。解決の糸口さえ掴めていないようです。

 イスラム国はそもそも米国が作ったんです。間接的な経緯としてそう解釈すべきです。テロ組織は今収拾がつかない暴れ馬のようです。同時にそのイスラム国から利益を得る人たちがいるのです。誰だと思いますか。武器を売りさばく米国の武器メーカーです。世界とはそういう構図なのです。戦争を必要としている国や企業がいてそこから利益を得ている人間がいます。ひどいものです。

 オバマ政権を外国政策ではリーダーシップを発揮できていないとの批判があります。安倍政権と似ていませんか。

 オバマ大統領は過大な期待をかけられて登場しましたが、国内外の問題に対処しきれず、イスラム国の対応も待つだけ待って最後に空爆を決め、イラクへの派遣を決断しています。どこかの際に似ていますね。

 話を日本に保護しますが、先程安倍政権は結局官僚主義だとおっしゃいました。官僚主義が牛耳る日本の政治システムはいつまでも変わりませんね。

 

9年に民主党政権が誕生した際、鳩山政権は少なくとも政治家が物事を決定するシステムを作ろうとしました。気運があったと思います。だがチャンスを逃しました。次の管氏は官僚のいうことを聞くだけでしたし、野田氏に関しては最もいいかげんな首相でした。ですから、民主党政権は事実上最初の鳩山政権で終わったと考えていいのです。さらにいうならば私は民主党政権が瓦解したのは日本の3つの魚雷のせいだと思っています。目に見えないところから飛んできた。一本目は日本のメディアです。二本目は官僚。3本目がワシントンです。この3本の魚雷によって政権が攻撃されて崩壊したのです。

 日本の政治はその三つの勢力にコントロールされているということですね。

 鳩山政権が誕生した時、政党政治の夜明けがきたと純粋に思いましたが、前述した3本の魚雷によって崩されてしまったのです。新聞が民主主義政権を潰し官僚がそれに加担し、ワシントンも民主党政権を好みませんでした。官僚やワシントンはこれまで長期間自民党とべったりでしたから両者が民主党政権を毛嫌いするのはわかります。しかしなぜ新聞が民主党攻撃しなくてはいけないのですか。鳩山政権が誕生した直後朝日新聞の上層部と会いました。彼は民主党はどのくらい政権を維持できると思いますかと聞いてきました。それでこの答えたのです。あなた方次第ですと、新聞は政権をどう報じるかでその答えが変わります。

 日本の政治が変わる機運を潰した一役を担う新聞にしても官僚にしても現状維持を望んだということでしょうか。

 制度的なシステムが出来上がった社会では、多くの分野で現状維持がとともにます特に官僚は既存のシステムを変えようとはしません。過去に築き上げてきた体制を死守することを責務と考えるからです。既得権益ですね。鳩山政権は少なくともそれを変えようとした。官僚機構に頼るのではなく政治家が物事を決めて行こうとしました。けれども日本では新聞でさえ現状維持中毒を患っていた。まるで民主主義の発展を阻止するのが彼らの役目と思えることです。メディアは官僚とワシントンと手を結んで民主党政権を追いやったのです。これ程はっきりしていることはありません。

 日本の将来をどう見ていますか。安倍政権は起動の世界情勢に対応できるでしょうか。

 私には日本が行き先を見失っているように見えるのです。どこに行くのか。明確な道筋が示されていない。それが日本にとっての危機です。日本のトップに立つ人間は世界情勢を適切に見極められていない。安倍首相は第1次政権も経験していますから、本来ならば、過去から学び世界に向けて示唆に富んだ指導力を発揮しなくてはいけないところです。だができていない。歴代の首相と違うようにも見えますが何も変わっていません。極めて平凡な政治家です。日本はロシア中国両国と密接な経済関係を進化そして発展させなくてはいけない。積極的に越し進めるべきですが、それもできていない。中間層が衰退し一部の富裕層だけが潤う格差社会が広がってきています。これでは日本の将来は危ういです。

 最後にお聞きしますが、安倍首相をリーダーとしてまた人間としてどう思いますか。 

日本がどうあるべきかという。漠然とした考え方はあると思いますが、ファンタジーのレベルでしかない絵空事を抱いている。つまり、その中で生きている首相だということです。全く現実的な政治家ではありません。 

カレン・ヴァン・ウォルフレン氏

▽1941年オランダ生まれ。72年からオランダ紙の東アジア特派員を務め、82~83年に日本外国特派員協会会長。30年以上、日本政治を冷静に分析してきた。「日本/権力構造の謎」「いまだ人間を幸福にしない日本というシステム」はベストセラー。アムステルダム大名誉教授。

以上は、2014113日に行われた日刊ゲンダイ誌によるインタビュー記事です。

オバマ大統領の時代ですから、少し古い時代のインタビューですが、政治の在り方は今でもさほど変わってはいないと思われます。

日本の政治はメディアと官僚とワシントンの三つの勢力にコントロールされているという指摘ですが、ワシントンという指摘は分かりにくいですね。アメリカというのも不正確ですが、TPPや日米FTA交渉、水道法改正、種子法改正などを見ても分かるように多国籍企業の富裕層によって動かされているということが出来ると思います。私はこれに加えて毎月2回行われている日本の高級官僚と米軍の幹部たちによる日米合同委員会も挙げたいと思います。ここでは日米が対等の話し合いをするよりもアメリカ側の要望を日本側が聞くという構図になっています。そして与党も野党もこれに賛成してきているのが現状です。

種苗法改正について 

現在国会で審議中のものですが、種苗法改正法案は、日本の将来にとって非常に重要なものですのでとり上げておきます。

コロナ危機で日本も世界も大変な時なのにと思いますが、あえて国民がパニックを起こすようなときに火事場泥棒的に法案を可決してしまうことをショックドクトリンと言います。検察庁法改正も同じようにして通そうとしているようですね。

政府は2月18日に農水省が自民党の合同部会に種苗法改正を提案、3月3日、このような重要なことを農家の方々に相談することもしないで種苗法改正案を閣議決定しました。今国会に提出し20214月の施行を目指しています。

種苗法改正で問題視されているポイントは、「種苗の知的財産権」が強化される一方で、農民の「自家採取・自家増殖の権利」が制限されるという点にあります。

元農林大臣の山田正彦氏は講演において次のように述べておられます。

「野菜は30年前、みんな伝統的な固定種でした。ところが野菜の種子はF1に変わり、今、90%を海外で生産しています。2年前にモンサントの遺伝子組み換え農産物の見学会に行ったとき、思いがけないことを聞いた。「日本の野菜の種子はモンサントでつくっています」といわれたのだ。そんなことはパッケージに書いていない。「委託生産し、委託販売している」という。調べてみるとモンサントは野菜の種子だけで800億つくっている。世界の種子は今、モンサント(バイエル)、ダウ・デュポン、シンジェンダ(中国化工集団傘下)の3社で世界の種の7割を握っている。同時にこの3社で世界の農薬の7割、世界の化学肥料の7割を握っている。」(以上は山田氏の講演録より)

現在、世界に流通している種は、主に、バイエル、モンサント、ダウデュポン、シンジェンタの4社です。日本にもタキイ、サカタなどの企業がありますが、その株主を見ると外資が多数入っていることが分かります。名前は日本企業のように思われますが、山田正彦氏が述べておられるように、日本で売られている野菜の種の多くはモンサント社で作られているということです。日本にもわが社から多くの種を提供していると言われたのです。しかもすでに現在日本で流通している種のほとんどはF1品種となっています。

 伝統的な固定種とF1の種との違い

この違いを考える時、人類は、種という生命を育み育てる大切なものにも、神が与えてくださった自然の秩序を超えて、遺伝子操作によって奇形な種を作り、不自然なものを流通させてしまっていることを教えられます。従来農家が品種改良もしながら、よい種を残すことに努めてきました。それらは皆、子孫を後々まで残すことが出来る固定種であり、自家採取も当然できるものでした。これに対して、F1種の作り方は、数百万本に1本しかないとされている雄性不捻(めしべは普通に機能するけれど、雄蕊に健全な花粉が出来ないので、自分の花粉では受精できない不妊症の個体のこと)を見つけて、それを母として別の種類の雄性不捻種を大量生産して、それを基に雑種を作り出すものです。こうしてできたF1の種は、1代目だけは多くの収穫を得られますが、その後は子孫を残すことが出来ない奇形の種です。この種によって作られた作物は子孫を残すことが出来ません。栄養価も落ちると言われていますが、種を販売している企業は、すべての種をF1にして、毎年農家がこの種を買わざるを得ないようにしているのです。

「自家採種」というのは、栽培した植物の種子を採り、またそれを播くことです。これは人間の歴史で栽培が始まった時からずっと今に至るまで続けられている行為です。それも、ただ種子を採るだけでなく、よりおいしくて形が良く、多収穫な形質を持った作物の種子を採り続けてきました。種子は気候変動にも、人間の趣向にも合うように変化し続けています。「自家増殖」というのは、種子ではなく、芽の出た芋を植えて増やしたり、ランナーという蔓が伸びたものを土に植えて増やしたり、株分けして増やしたりする栽培技術です。こちらも従来農家が自然を守り、育てるという思いをもって行ってきたことです。神が与えてくださった自然の秩序にかなった在り方と言えます。種は特許で制限するようなものではないという暗黙の理解がありました。

農水省は、禁止するのは、登録品種だけで、登録品種というのは種子全体の5%ほどだから、全く心配はいらないという説明をしてきましたが、実際には自家採種を禁止する作物を増やし続けています。2016年には82種でしたが、2019年には372種になりました。ほうれん草や人参は登録品種ではありませんが、この禁止植物に入っています。これは、先のTPPによる交渉、さらには日米FTA交渉によって多国籍企業の要求に基づいて、多国籍企業から日本にたくさんの農産物を輸入するという話し合いをしてきたことによります。先に紹介したカレン・ヴァン・ウォルフレン氏の言う通りのことが起こっているのです。TPP交渉もそうでしたが、日米FTA交渉においても日本は農業に関して大幅な譲歩をしました。他の多くの国々では自国の農業を関税をかけて保護していますが、日本政府は農業に関してこの関税を極めて低いものにしたり、外国からの農産物の多量輸入を確約しているのです。ただでさえ自給率の低い日本の農業は壊滅的な打撃を受けることになるでしょう。世界の多国籍企業(グローバル企業)は特許権、知的財産権でお金を儲けようとしています。日本政府もこれに協力する方針です。このために今もすでにたくさんの遺伝子組み換え作物が日本に入ってきているのですが、さらに輸入作物が増えてくることが予想されます。右の図は日本に輸入されている遺伝子組み換え作物です。遺伝子組み換え作物とは

遺伝子組み換え作物を作っている企業は、いずれももともとは除草剤や農薬を販売している会社でもあります。この会社が、遺伝子組み換え技術を用いて新たな品種を作りました。この種を植えるとともに除草剤や農薬を蒔くと、遺伝子組み換えをしたグリホサートなどの除草剤に対して耐性を持った種なので、草は枯れますがその種子から生まれた作物は育っていくというものです。したがって遺伝子組み換えの種子を販売している企業は、同時に除草剤や農薬も多量に使用されていくことになります。先の図は遺伝子組み換え食品に対する規制を記したものですが、日本は真っ白でほとんど規制されていないことが分かります。特にEU諸国やロシア、中国の“GM離れ”が顕著になってきています。中国は、未承認品種の混入を理由として米国産トウモロコシの輸入を停止し、解放軍は遺伝子組み換え食品と遺伝子組み換えダイズ由来の食用油を禁じています。台湾も遺伝子組み換え食品の表示規制を5%から3%へと強化しています。

こうした有様をご覧になって、神様はどのように思っておられることでしょうか。神によって造られたこの自然を不自然なものに変えてしまい、お金儲けのためにたくさんの生命を奪っていく姿を悲しみの思いでご覧になっておられるのではないでしょうか。種子や苗などの命あるものを特許の対象にするのはおかしなことです。多国籍企業は、遺伝子組み換え技術やゲノム編集技術によって出来た種子や苗に特許を与えようとしているのです。この種子には元の種子が存在し、それは何千年もの間先祖が工夫しながら繋いできた種子なのです。さらにその大本の種子の命は人間には作ることは出来ません。子孫を残すことが出来ないような作物を食べることで、あるいは除草剤の耐性を持った作物を食べることで、人間にどのような害が及ぶようになるかはまだ未知数です。

EU諸国やロシアなどでは、遺伝子組み換え作物の輸入を全面的に禁止しています。昨年のことですが、日本人の髪の毛を調査したところ、1000人中1000人、つまり100%の人にグリホサートが検出されたとの報告がありました。すでに日本には多くの遺伝子組み換え食品が流通しており、その成分には除草剤のグリホサートが含まれていることが分かります。グリホサートはモンサント社が販売している除草剤で、多くの国々が使用を禁止しているものです。日本ではいまだに販売されています。